HOME > あの頃…… > 流行歌、映画の情報などお届けします Vol.9
THOSE DAYS流行歌、映画の情報などお届けします
この映画が公開されたのは1964年だが、描かれた時代が占領期を含むので、紹介したい。日本各地に、ポツダム宣言を受諾し玉音放送が全国津々浦々に流れた1945年8月、東久邇宮内閣の国務大臣の近衛文麿のお声がかりで、「性の防波堤」として慰安所がつくられていった。RAA(特殊慰安施設協会)が8月26日に設立され、翌27日には大森海岸の料亭「小町園」を慰安所第一号に指定したのを皮切りに、続々、慰安所、キャバレーなどがつくられていった。28日には、RAAの幹部たちが皇居前広場で宣誓式を行い、万歳三唱している。そのあたりから、1956年の売春防止法成立、58年の発効までを時代背景に、さまざまな男女の悲喜劇(人間模様)を軽妙なタッチで、新人の前田陽一監督が「にっぽんぱらだいす」という佳品に仕立てたのがこの映画である。
出演者は、香山美子、ホキ徳田、長門裕之、加東大介、益田喜頓、加賀まりこら。三悪(売春・麻薬・性病)追放協会や売春対策審議会の会長をつとめ、フィクサーとしても名高かった菅原通斎や、菅原文太、長門勇が特別出演しているので、記憶のある人は懐かしいはずである。以下のユーチューブで楽しんでください。