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あの頃……

THOSE DAYS流行歌、映画の情報などお届けします

 さて、何といっても、関心の中心は、北朝鮮の危機がどうなるかではないだろうか。そこで、面白い映像を見つけたので、皆さんに見てほしい。
 これは1950年頃のアメリカ国内向けの原爆に関するプロパガンダ映像であるが、現在日本のJアラート騒動を思い出さないだろうか。

 次にお正月らしい話題をひとつ。今年も、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを見た人が多いと思うが、たいていヨハン・シュトラウスⅡ世の「美しき青きドナウ」が演奏されるが、この曲は、1866年の普墺戦争に敗れたオーストリアの国民の心を慰めるために作られ、オーストリア第二の国歌と言われる。2002年新年には、日本の小澤征爾が指揮しているので、それを紹介しよう。

 日本の敗戦から生まれた曲は、何だろう。河出書房新社の『現代風俗史年表』に、「リンゴの歌」から始まった、とある。
「人々に圧倒的に支持され、愛唱され、人々の生活を彩った流行歌といえば「リンゴの歌」(作詞:サトウハチロー、作曲:万城目正)。暗い時代をくぐりぬけ、ようやく青空を胸を張って見上げることのできる喜びを代弁した。SKD出身の並木路子の澄んだ歌声と、<赤いリンゴ>と<青空>の対比が描きだす甘く明るいイメージが、人々の荒んだ心を癒し、明るい希望を与えたのだ。この歌は、戦後初の企画・製作映画「そよ風」(松竹、佐々木康監督、佐野周二、並木路子出演、10月11日封切)の挿入歌。映画のストーリーは、劇場の照明係の娘がレビュースターになるが、その空しい生活に嫌気がさしてリンゴ園で働く決心をし、そこに作曲家である恋人が訪ねてくるというもの。リンゴ畑での大合唱がフィナーレ。人々は一円の入場料を払い劇場につめかけた。並木の歌声がはじめてラジオから流れたのは12月10日の「希望音楽会」。東京田村町の飛行館スタジオで行われた公開録音で、並木は小脇にリンゴの入ったカゴをかかえ、リンゴを配りながら歌った。レコード発売は翌年3月(日本コロムビア)。A面は霧島昇の「そよ風」で、B面が「リンゴの歌」。霧島のたっての希望でデュエットで収録されている。1947年までに一二万五〇〇〇枚売れた。ちなみに、リンゴの闇値は一個五円。警察官の初任給は六〇円、醤油一升一円七銭、理髪料三円五〇銭だった。当時こんな替歌が物価高を嘆いた。
〽赤いリンゴの露店の前で、黙って見ている青い顔、リンゴの値段は知らないけれど、リンゴのうまさはよくわかる、リンゴうまいや、高いやリンゴ……」
 さて、映画「そよ風」で歌う並木路子の「リンゴの歌」は、以下の動画で見て、聞いてほしい。