コラム ニュース映画とCIE映画 Vol.5 GHQクラブ編集部 | GHQ.club

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CIE
FILMニュース映画とCIE映画

VOL.5
GHQクラブ編集部

このシリーズでは、占領期を記録したニュース映画の映像について、
一方、GHQ=支配者サイドが日本を民主化する一環として活用した
短編映画(ナトコ映画)について、考究していきます。

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日本のニュース映像が伝えてきたこと

 

 これまで1930年代から50年代までの「日本ニュース映画史」(文責:重田一男)を見てきたが、ここでは、それらの日本のニュース映像が、どんなものがどれだけあり、どうすれば見ることができるかを若干紹介する。

 

 まず「日本ニュース」だが、別冊「日本占領の正体」で宮崎さんが掲示しているように、以下で公開されている
1 川崎市市民ミュージアム(1940年から51年までの映像)
2 インターネットでは、NHKオンライン/戦争証言アーカイブス/戦後証言アーカイブスで、昭和15年から23年、および24年~26年までの一部を検索できる。以下をクリックしてください。

http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/jpnews/list.cgi?cat=y&value=194812
ならびに、
http://cgi2.nhk.or.jp/postwar/news/list.cgi

 また、読売映画社(現イカロス)の製作したニュース映像については、同社を検索して、映像・動画ライブラリーに入れば、リスト検索ができる。このライブラリーには、1937年から40年の「読売新聞ニュース」、1949年から97年の「読売国際ニュース」が蓄積されている。それらを見たい場合には、library@n-ikaros.co.jp へメールすれば対応してくれる。
 なお、昭和館において、見られるとのことだったので、問い合わせたところ、「ニュース映画は、5階映像・音響室にある端末でご覧になれます。そこは無料で利用できますので、お越しいただければ手続きなしで見られます」とのことです。昭和館とは、「主に戦没者遺族をはじめとする国民が経験した戦中・戦後(昭和10年頃から昭和30年頃までをいいます)の国民生活上の労苦についての歴史的資料・情報を収集、保存、展示し、後世代の人々にその労苦を知る機会を提供する施設」であり、東京都千代田区九段南1-6-1に所在する。問い合わせする場合には、電話では03-3222-2577、FAXでは03-3222-2575、
メールでは、info@showakan.go.jp である。
 さらに、昭和館では、読売ニュースのほかに、朝日ニュースも見ることもできる。「その所蔵分については、当館のホームページにある図書・資料検索の映像検索から、それぞれ朝日ニュース、読売ニュースと入力することで調べることができますが、ニュース映画の号数や上映時間等の情報のみで、詳細については、映像・音響室に直接お越しいただくしか方法がございません」ということである。

 

 以上のほかのニュース映像については、わかり次第、おいおい紹介していく。それに、これらのナビゲーションのための論考についても適宜アップしていく。

 

 一方、GHQのCIE映画(ナトコ映画)について、どんなタイトルの映画があり、どこにアーカイブされているか、それらについての論考などの寄稿も期待している。
 ここで若干、別冊での山内隆治さんの論考の繰り返しになるが、CIE映画の概略を紹介しておこう。
 CIE(Civil Information and Education=民間情報教育局)は、主に教育・宗教などの文化政策を担当するGHQの一部局である。その活動の一つが映画による日本人への民主化教育、つまりはCIE映画の上映であった。山内さんによれば、「まず1946年前半、米国国務省国際映画部から7作品が送られたのを皮切りに、その後は米国陸軍オリエンテーション課からCIEにフィルムが送付され、その中からCIE教育映画ユニットが選定した作品に、日本の映画製作会社が日本語ナレーションを付けたり、また、日本の映画製作会社が製作する場合もありました。1948年2月、CIEは日本の文部省に対し、映写機を大量に無料貸与するので、それを全国に配布して社会教育のために適当な上映体制をはかるよう要請しました」という。それで、なぜこれがナトコ映画と愛称されたについては、別冊の山内論考を参考にしてください。ともかく、この映画は、統計では1951年7月までに、総計9億4504万3007人の日本人が見ており、当時の日本人口は約8300万人だから、なんと1人あたり10本以上見た計算になる。このCIE映画は、あなたは見た記憶がないかもしれないが、日本人の精神形成に大きな役割を果たしたのである。これについての論考がいかに大切かがわかるだろう。(つづく)

 

 

記事:GHQクラブ編集部