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地方占領期調査報告

INVESTIGATION REPORT各地方自治体へのアンケート調査を報告します

 GHQクラブでは、2016年7月に、地方自治体(広報部門)を対象に、「占領期」(1945~52年、沖縄は72年まで)についてアンケート調査を行いました。また、2013年11月には数カ所に予備調査を行っています。調査結果は、それらをまとめて行います。
 それらの回答が一応、終了しましたので、その結果を、このGHQクラブホームページで順次、公表させていただきます。皆さまの「占領期研究」に資することが出来れば、幸いです。

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地方占領期調査報告(15)福岡県・佐賀県
 福岡県総務部行政経営企画課および福岡県立図書館郷土資料課の回答――

一(資料)、二(郷土史家)については、県立図書館から回答します。
三 本県広報部門に確認しましたが、ナトコ映画などについて、当時の事績が保存されていないため、不明とのことです。

 以下、県立図書館の回答――

  • 1.占領期の資料について
     県史ですが、福岡県では旧版と新版が存在します。旧版には、戦後の記述はなく、新版は刊行が中断しているため、福岡県の通史がありません。
     市町村史として、福岡市史と北九州市史を例示します。
    ・福岡市史
     福岡市が編集発行した市史には、占領期の通史があります。
    「福岡市史」第5~8巻、昭和戦後編、1970年~78年の発行です。
    国会図書館に所蔵されており、そのURLは、以下の通りです。
    http://id.ndl.go.jp/bib/000001211589
    http://id.ndl.go.jp/bib/000001211590
    http://id.ndl.go.jp/bib/000001211591
    http://id.ndl.go.jp/bib/000001377133
     とくに8巻(昭和戦後編4)には、「占領と接収」という章があり、まとまっています。
    ・北九州市史
     北九州市の発行した「北九州市史」にも占領期の記述があります。
    「北九州市史」近代・現代 行政社会
     北九州市史編さん委員会編集、」北九州市発行、1987
     国会図書館に所蔵されており、URLは次の通りです。
    http://id.ndl.go.jp/bib/000001900914
     4巻目の「第3編 戦後における地方自治の発展」に占領期の言及があり、まとまった記述があります。
     なお、北九市史には、索引・総目次の巻があります。国会図書館に所蔵されており、そのURLは次の通りです。
    http://id.ndl.go.jp/bib/000002260111
    2.郷土史家
    「占領期に詳しい方」という範疇では把握できていませんが、福岡県内の郷土史団体や郷土史を研究されている方をとりまとめた団体として、「福史連」があります。そのメールアドレスは次の通りです。
    fukuoka.chihosi@gmail.com
    http://www7a.biglobe.ne.jp/~chihosi-fukuoka/index.html

 

 福岡県庁県民情報広報課および福岡共同公文書館の回答(2013年)――

 広報課の照会による福岡共同公文書館からの回答です。

 当館所蔵の福岡県公文書中、占領軍に関するものは、昭和20年~37年頃の総務部渉外課の文書の中にいくつか見られます。しかし、土地の接収、財産の没収という内容ではなく、多くは労務関係のものです。具体的には、占領軍の下で労務についていた日本人労働者の事故報告綴やその補償についての書類綴、また占領犠牲者遺族の会から各県議会にむけた陳情書や添付の被害者調査資料などの綴りです。
 一方、市町村公文書をみてみると、占領軍の土地接収に関して下記のような文書がありました。

・「昭和22年 庶務事蹟綴 鎮西村役場」(飯塚市)
 この中に飯塚警察署から鎮西村役場に宛てた文書があり、標題は「占領軍からの物資要求について」で、内容は、占領軍からの接収を騙る不当なゆすりたかりについての注意喚起と、正式な接収の手続きについて簡単に触れたものです。
・「古賀演習場接収反対協議会」(昭和27年、古賀市)
 米軍から提供要求のあった古賀演習場の接収反対を訴えた陳情書や請願書の綴り。地元自治体や住民たちが、接収反対を求めてどのような運動をし、どのような結果がもたらされたかがわかる資料です。
・「旧芦屋線跡地関係事蹟」(昭和41年、遠賀町)
 昭和21年に出された占領軍鉄道建設命令に基づいて建設された旧芦屋線について、用地の強引な買上げについて言及した文書が含まれています。

 以上の通り、公文書に残る「土地や施設の接収」は、(当時の)正式な手続きを経た公のものであり、それに対する行政側の対応についての記録が主だと思われます。中には、飯塚市の場合のように、「非公式(不当)な接収が行われていたことをにおわせる文書」もありますが、具体的な事例は当館の公文書では確認できませんでした。なお、古賀市の文書中に1952年7月26日の新聞各社の記事が貼付されており、これらにより駐留米軍施設、区域の一覧がわかります。


 

 佐賀県政策部広報広聴課および佐賀県公文書館の回答――

  • 1.占領軍の出来事を記した資料
    『佐賀県政史』(佐賀県編集、昭和54年発行、佐賀県立図書館所蔵)
     なお、県政史の基資料は、下記の通りで、すべて佐賀県公文書館に所蔵しています。
    2.郷土史家について
     研究者等について把握していません。
    3.PRO設置の対応については不明です。また、PR映画製作した実績も不明です。
    ■県政史の基資料
    秘書課作成資料――
    「進駐軍ニ関スル書類・放出物件證慿證・宮様関係・終戦処理費証拠書」昭和20~21年
    「昭和二十二年一月~十二月 佐賀県公報」昭和22年
    「昭和二十三年一月~六月 佐賀県公報」昭和23年
    「昭和二十三年七月~十二月 佐賀県公報」昭和23年
    「昭和二十四年一月~十二月 佐賀県公報」昭和24年
    総務課作成資料――
    「昭和二十五年一月~六月 佐賀県公報」昭和25年
    「昭和二十五年七月~十二月 佐賀県公報」昭和25年
    「昭和二十六年一月~六月 佐賀県公報」昭和26年
    「昭和二十六年七月~十二月 佐賀県公報」昭和26年
    法制審議会作成資料――
    「昭和二十七年一月~六月 佐賀県公報綴」昭和27年
    「昭和二十七年七月~十二月 佐賀県公報綴」昭和27年
    議会事務局作成資料――
    「昭和20年佐賀通常県会議事速記録」昭和20年
    企画調整課作成資料――
    「総合開発」昭和23~24年
    生活文化課作成資料――
    「消費生活協同組合認可関係(佐賀市他)」昭和24~29年
    総務法制課作成資料――
    「語学加給関係綴」昭和24年
    管財課作成資料――
    「財産処分綴(県有財産の取得 営理処分に関する綴)」昭和24~26年
    市町村課作成資料――
    「公職適格審査調査表※非公開」昭和21~27年
    福祉課作成資料――
    「例規(生活保護)」昭和27年
    「例規(医療扶助)」昭和22~24年
    児童青少年課作成資料――
    「県有財産関係」昭和25年
    保健環境部環境衛生課作成資料――
    「例規(食品衛生)」昭和26年
    商工課作成資料――
    「特殊物件(特殊物件引継台帳)」昭和20年
    「特殊物件(特殊物件引継台帳)」昭和20~22年
    「特殊物件(軍需物資管理委員会)」昭和20~22年
    「特殊物件(元軍需物資配給関係)」昭和20~22年
    「特殊物件(保管転換)」昭和20~21年
    「特殊物件(処理状況報告綴)」昭和21~23年
    「特殊物件(兵器処理委員会引継書)」昭和22年
    「特殊物件(連合軍往復文書)」昭和21~23年
    「特殊物件(産業復興公団引継書類)」昭和23~25年
    「特殊物件(検察庁、調査庁引継書類)」昭和23~26年
    「特殊物件(土地建物引継書)」昭和21~25年
    「特殊物件関係書類」昭和24~25年
    「特殊物件」昭和25~27年
    農産課作成資料――
    「県有財産関係綴」昭和26年
    「試験研究機関整備統合綴」昭和24年
    流通経済課作成資料――
    「例規」昭和26年
    農村計画課作成資料――
    「国営土地改良事業認可(嘉瀬川①)」昭和25年
    「国営土地改良事業認可(嘉瀬川②)」昭和25~26年
    「国営土地改良事業認可(嘉瀬川)」昭和26年