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地方占領期調査報告

INVESTIGATION REPORT各地方自治体へのアンケート調査を報告します

 GHQクラブでは、2016年7月に、地方自治体(広報部門)を対象に、「占領期」(1945~52年、沖縄は72年まで)についてアンケート調査を行いました。また、2013年11月には数カ所に予備調査を行っています。調査結果は、それらをまとめて行います。
 それらの回答が一応、終了しましたので、その結果を、このGHQクラブホームページで順次、公表させていただきます。皆さまの「占領期研究」に資することが出来れば、幸いです。

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地方占領期調査報告(1)北海道
 北海道立文書館の回答――

  • ①北海道占領期に関する資料名について
    『新北海道史』第6巻 通説5 編集・発行 北海道 昭和52年3/1発行
    『新札幌市史』第5巻 通史5(上) 編集 札幌市教育委員会 平成14年3/31刊行
    『函館市史』第4巻 函館市史編さん室編 平成14年3月刊
    『稚内市史』第2巻 市内編さん委員会編 平成11年1月刊
    『帯広市史 平成15年編』帯広市市史編纂委員会編 平成15年
    『昭和20年の記録 さっぽろ文庫』編集・札幌市教育委員会文化資料室 昭和55年発行
    『日本占領と軍政活動』西川博史 2007年刊行
    (以上、いずれも国立国会図書館に所蔵)
     また、所蔵の公文書で、進駐軍に関するものとしては、以下のものあり。
    『長官事務引継書 昭和二十一年二月』(請求番号A 7-1/1737)
    『旧真駒内施設接収関係』(請求番号A 11-1/ 5249)
    『進駐軍用土地貸借契約綴 地方費 真駒内』(請求番号A 11-3/1023)
    ②郷土史家について
    上記のうち『新北海道史』は北海道が編集したものですが、現在は担当する部署はなく、郷土史家に関する情報はない。
    ③GHQのPRO(広報部門)指導やCIE(ナトコ)映画の上映運動への対応、および自らのPR映画の活動実態について
     GHQのPRO(広報部門)設置に対する北海道の対応については、当館では当時の経過に関する資料を所蔵していず、対応については不明です。ただ、上記資料の『日本占領と軍政活動』の191、319~320、323ページに関連すると思われる記述があります(以下、参照)。
     CIE(ナトコ)映画の上映運動への対応、および自らのPR映画の活動実績についても、当館では関連資料を所蔵していませんが、北海道立図書館で『視覚教育とナトコ映写機運営の実際』(北海道教育委員会社会教育課編、1949年)という図書を所蔵しており、あるいは関連があると思われますので図書館へ直接お問い合わせください。
    連絡先は下記の通りです。
    北海道立図書館
    〒069-0834北海道江別市文教台東町41番地
    TEL: 011-386-8521(代表) FAX: 011-386-6906

『日本占領と軍政活動』の参照個所――
「……道庁教育民生部は、小樽・旭川・札幌の市長に対して、民主主義の普及のため「リンカーン」に関するフィルムを全ての小中学校、青年学校の生徒に鑑賞させるよう指示した。……」

「3 民間情報活動
【1】映画
 四七年四月、サンユウ文化広報社はチームツアーを設置して全道を巡回し、アメリカおよび日本の映画を上映した。フィルムはCIE教育映画課から民間会社を通して入手した。七月、本セクションは、道内で上映されるアメリカ映画の性格を調査し、中央映画配給所札幌支部と憲兵司令部を交えて協議した。アメリカ映画は、他の地域へ配送される前に札幌で上映され、完全な検閲が可能であった。八月、社会教育活動に使用する最初の映画“Freedom to Learn“と”A Better Tomorrow“ がCIEから届き、九町村で教育および社会教育関係者に上映された。九月、東宝映画会社の小学校向け教育映画五本(「魚の愛情」・「生徒会」・「結婚したチドリ」など)が上映された。十月、道庁の警察・民生・教育の各部が主催し、青少年保護協会が後援する青少年非行防止の映画「愛の航路」が道内の映画館で上映された。
 軍政司令部の判断によれば、日本の現在の経済状態を考慮するといくつかのアメリカ映画は日本人に達成できない目標を示しており、日本人は、アメリカが成し遂げた基準に到達するよう勇気づけられるよりも、むしろアメリカに畏敬の念を抱き、努力しても無駄であると感じる傾向があった。本セクションはアメリカの偉業と目標を示す題材を使って日本を舞台にした映画制作を提案した。十一月以降、中央映画配給所札幌支部は、“Tuesday in November”“Hymn of Nations”“American National Library”“Steel Town”“Power and Land”を受け取り、各地で上映した。」
「道庁労働部労政課は……フィルム六セット(新憲法・適切な労働運動・労働組合活動・労働組合組織・労働組合法・労働組合物語)を購入した。……」


 

地方占領期調査報告(1-1)北海道・函館市
 函館市中央図書館(レファレンス担当)の回答――

  • 占領期の函館における出来事を記録した資料は以下の通り。
    『函館市史』「通説編 第4巻」と「年表編」函館市史編さん室/編、函館市刊
    『函館引揚援護局史』函館引揚援護局局史係/編、函館引揚援護局刊
    『函館市公報』(昭和22年11月~昭和27年3月)函館市役所刊
    『函館市会報告』(昭和21年)函館市会刊
    『北海道新聞』(昭和20年9月~昭和27年4月)北海道新聞函館支社刊
    『函館新聞』(昭和21年11月~昭和27年4月)函館新聞社刊
    『函館教育史』(復刻版)神山茂/著、函館文化会刊
    『戦後学校教育の五十年』函館市教育委員会/著、函館市教育委員会刊
    『函館市教育委員会30年誌』函館市教育委員会刊
    『地域史研究はこだて』10号、函館市史編さん室刊(青柳国民学校昭和20年の日誌、昭和20年の新聞写真集)
    『地域史研究はこだて』29号、函館市史編さん室刊(占領期の函館についての論文)
    『地域史研究はこだて』33号、函館市史編さん室刊(米国国立公文書館新館における「占領期北海道の資料についての論文」

以下、館内限定の写真資料(北海道新聞社刊)――
「子供と遊ぶアメリカ兵」「宿舎で語る米赤十字従軍看護婦の一行」「羽子板と米軍看護婦さん」「函館CIE図書館」


 

地方占領期調査報告(1-2)北海道・小樽市
 小樽市広報広聴課の回答――

  • 同市立小樽図書館に所蔵しているもので、GHQに関しての資料は、以下の2冊です。
    『小樽市史』第6巻、小樽市編、小樽市、1969年刊
    『小樽の戦争 証言・資料集1 子どもの見た小樽の空襲と米軍上陸』いつまでも戦争を忘れない小樽教師の会編、1987年刊