第11回 X氏ヒストリー 「後藤田正晴」 | GHQ.club

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X氏ヒストリー~占領期をどう生きたか

第11回
「後藤田正晴」

 戦争を知る者が政治の中枢にいる間は大丈夫だが、いなくなったら危ないとは、よく言われる。かつて中曽根康弘内閣の際、官房長官を務めた後藤田正晴は、戦争は絶対によくないという信念を頑固に貫き通した。その証言に真摯に向き合い、その生き方から学ぶことが必要であろう。

 まずひとつ。内閣官房長官の彼は、中曽根内閣で作られた内閣官房6室制度発足の場で、部下たちの初代・内閣五室長の的場順三(内閣内政審議室)、国広道彦(内閣外政審議室)、佐々淳行内閣安全保障室)、谷口守正(内閣情報調査室)、宮脇磊介(内閣広報官室)に訓辞を与えたが、その「後藤田五訓」は以下の通りである。

  • 出身がどの省庁であれ、省益を忘れ、国益を想え
  • 悪い、本当の事実を報告せよ
  • 勇気を以って意見具申せよ
  • 自分の仕事でないと言うなかれ
  • 決定が下ったら従い、命令は実行せよ
    現在の官僚たちは、権力者におもねる「忖度官僚」だらけではないだろうか。

 さて、ここに後藤田正晴がどういう人で、どんな信念を持った人物なのかがわかるロングインタビューと、彼の生き様のドキュメンタリーを紹介しよう。
「権力の内側から見た50年」(テレビ朝日)である。

 彼のような政治家が、現在の政権にいてくれたらと思うこと、しきりである。北朝鮮危機にある今こそ……。