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「山の上ホテルの履歴書」

PHOTO STORY写真に隠された真実

STORY.37
「山の上ホテルの履歴書」

 三島由紀夫など文人に愛された「山の上ホテル」は、前身は「佐藤新興生活館」といった文化福祉施設だった。その鉄筋コンクリート建築の旧館は、1936年に明治大学のOBで石炭商の佐藤慶太郎の寄付により、米建築家ヴォーリスが設計して竣工している。

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 当初は、財団法人日本生活協会に管理され、戦時中は、帝国海軍に徴用され、将校の宿舎として使用されている。敗戦後の1945年12月にはGHQに接収され、陸軍婦人部隊の宿舎になった。山の上に立つ眺望の良さから、「ヒルトップ・ハウス」という愛称で親しまれていたという。
 そして、接収解除の翌年1954年1月に、佐藤家から建物を借り入れた吉田俊男がホテルを創業して、今日に至っている。
 1970年には、本館の前(中央線「お茶の水駅」前の通りから右に入った坂をのぼって右側)に別館を増築して人気を集めていたが、2013年4月5日の火事で、翌14年6月に閉鎖を余儀なくされ、現在は隣接する明治大学に売却されている。
 本館前を右に回り込んでいくと坂があり、途中右側に「錦華公園」があるが、ここは戦後、モータープール(駐車場)として米軍に接収されていた。今は、子供たちの遊ぶ声に満ちている。


山の上ホテル本館の玄関。この右前に別館があった。

 

(文責:編集部MAO)